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2008年10月18日 (土)

Xen 3.2

Xen の利点

    Xen を使うと,ゲスト環境(dom-U)の中で kernel-2.6.18 の「素debianサーバ」を構築できる。ORCA も,インストール手順書通りにインストールできる。一度「素debianサーバ」を作ってしまえば,ホストマシンを新しくしても,Xen を走らせれば,作成済みの「素debianサーバ」を持って行ってそのまま使える。それでいて,ハードウエア仮想化の VirtualPC や VMWare に比較すれば,オーバーヘッドが少ない。メモリ管理は OpenVZ や Linux-Vserver よりも厳格なようだし,ファイルは物理パーティションに配置することができるので,イメージファイルを使うより安心感がある。スピードと安定性の両立ができるバランスのよい選択だと考えている。

 

Xen のインストール

    開院当初から Ubuntu 7.10 + Xen 3.1 で運用中であったが,メインマシンを Ubuntu 8.04 + Xen 3.2 に移行した。
    以下は,Ubuntu 8.04 (x86_64) インストール後からの手順。
  • インストール
    # aptitude install ubuntu-xen-server
    
  • /boot/grub/menu.lst の編集:dom-0 のメモリ割当は 256M にしている。また,sw-iommu space を 64M にセットしている。(これをセットしないと,ファイルのコピー時に out of SW-IOMMU space エラーが出まくる[参考])
    kernel /boot/xen-3.2.gz dom0_mem=256M
    module   /boot/vmlinuz-2.6.24-18-xen root= ro console=tty0 swiotlb=64
    

 

環境の移行

  • 現在運用中のマシン(current-machine)から,新しいマシンに仮想マシン(dom-U)をコピーする。仮想マシンは物理パーティションの /media/orca/,/media/dolphin/,/media/samba/ に作ってある。--numeric-ids を付けておかないと,ユーザ名,グループ名が合うように id 番号を変えられてしまう*。
    # rsync -azH --numeric-ids root@current-machine:/media/orca/ /media/orca/
    # rsync -azH --numeric-ids root@current-machine:/media/dolphin/ /media/dolphin/
    # rsync -azH --numeric-ids root@current-machine:/media/samba/ /media/samba/
    
  • current-machine から,新しいマシンに debian 2.6.18 カーネルをコピーする。
    # scp root@current-machine:/boot/*-2.6.18-6-xen-* /boot/
    
  • current-machine から,新しいマシンに cfg ファイルをコピーする。
    # scp root@current-machine:/etc/xen/*.cfg /etc/xen/
    
  • 動作確認
    # xm create orca.cfg
    # xm create dolphin.cfg
    # xm create samba.cfg
    
  • すぐに新しいマシンで実運用してみたが,全く問題無し。マシンの更新は非常に簡単であった。

    *) 例えばマシン1で klog グループの id が 103 で,マシン2では 104 だったとする。--numeric-ids を付けてないと,rsync がグループ名の klog で合わせてしまうので,id が 103 → 104 に書き換えてられてしまう。

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